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山口地方裁判所下関支部 昭和43年(ワ)66号 判決 1969年7月24日

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

原告訴訟代理人は、「被告は原告に対し金一・五〇〇・〇〇〇円を支払え。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決を求め、「(一)大谷邦夫は、昭和四二年九月二〇日午前〇時二〇分頃に下関市清末一〇九九番地先国道で、被告が近藤昭へ所有権留保で月賦販売したのを伊原華彦こと尹華彦が転買していて同人が同乗し古田孝が運転していた普通自動車広三す一二八八にはねられて即死した。(二)邦夫は死亡当時三四才で左官をしていたため平均余命の七〇才まで稼働できたはずであるところ一か年に金三六〇・〇〇〇円位の純収入を得ていたので死亡の瞬間に簡易ホフマン式で計算した現価金六・四八〇・〇〇〇円の利益を逸失した。(三)原告は邦夫の死亡により実母として被告に対する右逸失利益の損害賠償請求権を単独相続した。」と主張して、被告への「損害賠償内金一・五〇〇・〇〇〇円の支払」を請求し、

証拠(省略)

被告訴訟代理人は、主文同旨の判決を求め、「加害自動車を被告が近藤昭へ所有権留保で月賦販売したことは認めるが、その余は不知。」と答弁した。

理由

加害自動車を被告が近藤昭へ所有権留保で月賦販売したことは当事者間に争いがないが、自動車につき、所有権留保で月賦販売した者は、格別の事情がないかぎり販売代金債権確保のためだけに所有権を留保して買受人の使用を認めるにすぎないところから運行の支配と利益をもたず自賠法第三条の運行供用者にはあたらない。

ところで原告は格別の事情を主張立証しないので被告が右運行供用者であることを前提にする原告の請求は他の点の真否を問うまでもなく失当であり、なお民事訴訟法第八九条を適用する。

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